キャッシュフロー管理が肝！フリーランスの資金繰りの悩みを解決

フリーランスは利益があってもお金がない？

売掛金、未収入金が増えている

小売店などの現金商売であれば、売上げと同時に代金を回収できますが、それ以外の場合はたいてい売掛金が発生します。フリーランスの仕事でも何でも、売上は商品を納品した時に計上します。たとえば、デザインの仕事なら納品した段階で、売上発生です。ここから、それにかかった経費を引けば「利益」はその場で確定です。しかし、現金はまだ手元にはありません。だいたいの処理が速いクライアントでも、納品後に月末でその請求書を受け取り、その翌月末に払い込みがあり、やっと現金が手に入ります。その間は経理上は、いずれ入るべきお金として「売掛金」「未収入金」として計上されます。この2か月以上の間は、売上が上がっても現金がない、という状況になります。売上＞経費で利益が出ていたとしても、経費の支払いのタイミングが売上代金回収より早くなってしまえば、ますます現金は減ることになります。

在庫が増えている

先に書いたデザインなどの仕事の場合は在庫が発生しませんが、物品販売などのような在庫が発生する仕事の場合も、上記と似たような状況が発生します。販売するためにある商品を仕入れたとします。この時これは「在庫」になります。そしてその支払いをすれば、現金が出ていき、減ります。しかし経理上は、「在庫」は費用ではなく、資産なので、現金を持っているのと同じ扱いになります。お金がモノに変わっただけです。したがって、在庫をまだ売ることができずに在庫のまま持っていれば、その分は資産にはなりますが、支払いはすでにしているので現金はないという状況が発生することになります。そのまま売れずに残ってしまえば不良在庫となるわけです。

固定資産への支出

店舗や運搬車両など、設備投資や固定資産への支出が多い商売にも同じようなことが起こります。例えば宅配用の車両を使う仕事の場合、この車両は社用車となり、基本的に経理上は「固定資産」です。150万でワゴン車を買った場合、現金は150万減りますが、お金が車になっただけで、150万は資産として計上され、利益が出る側の扱いになります。このうち、費用になるのは、その金額を5年とか7年で割った「償却分」のみになります。ですので、社用車などの「固定資産」を持った場合も利益は出るが、現金がない、という状況になるのです。これは、事務所などを購入した場合（借りた場合ではなく）も同様です。

借入金の返済

仕事上の理由で借入れをした場合、現金はその分増えます。逆に、その借入金を返していけば現金は減ります。しかし、今の一連の流れは「利益」には全く関係がありません。借入金を返したからと言って、利益がその分減ることはありません。逆に言えば、利益は出ていても、借入金をそれ以上に反していれば現金が減ることになるのです。